物尽し(読み)モノヅクシ

デジタル大辞泉 「物尽し」の意味・読み・例文・類語

もの‐づくし【物尽(く)し】

歌謡などで、同じ種類の物を列挙すること。「花づくし」「国づくし」など。ものはづくし。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物尽し」の意味・わかりやすい解説

物尽し
ものづくし

(1) 一つの標題を掲げてその同類を数多く列挙する文章表現。「ものはづくし」ともいう。清少納言の『枕草子』で「山は…」「野は…」「東は…」などとあるように「何々は…」という表現がその代表的な例。今様 (いまよう) ,宴曲などの歌謡の詞章に多く用いられ,また近世浄瑠璃祭文などにもこの例が多い。 (2) 邦楽曲の一分類。「尽し物」ともいう。同類のものを列挙していく歌詞の楽曲をいう。地歌の長歌物に多く,『桜尽し』『香尽し』などのように列挙した主題をそのまま曲名としたもの。

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