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今様 いまよう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

今様
いまよう

(1) 平安時代中期から鎌倉時代にかけて流行した歌謡。「今様歌」の略。「今様」とは「当世風」の意味の一般語彙で,「今様歌」は,広くはその時代時代で新しい感じのする新興の歌謡全体をさすが,狭くはそのなかの特定の歌謡 (常の今様,ただの今様) をさす。

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デジタル大辞泉の解説

いま‐よう〔‐ヤウ〕【今様】

当世風。今風。「今様のやり方」「今様の建築様式」
今様歌」の略。
「古き都の荒れゆくを、―にこそうたはれけれ」〈平家・五〉

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百科事典マイペディアの解説

今様【いまよう】

平安末期に流行した声楽。その当時として〈今よう〉,つまり現代ふうという意味で名づけられたもの。七五調四句の詞型を特徴とし,鼓などの伴奏で歌うこともある。白拍子などによって歌われ,貴族にも広まり,後白河法皇はその歌詞を《梁塵秘抄》に採録している。
→関連項目郢曲後白河天皇雑芸定型和讃

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世界大百科事典 第2版の解説

いまよう【今様】

日本音楽の一種目。平安中期までに成立し,鎌倉初期にかけて流行した歌謡。今様とは,一般的に現代風というほどの意味で,歌曲を指して特に今様歌という場合もある。この語が文献上に初めて現れるのは《紫式部日記》の寛弘5年(1008)8月の条で,同時代の《枕草子》にも見えることから,一条天皇(在位986‐1011)時代にはすでに行われていたことが確認できる。さらに《吉野吉水院楽書(よしのきつすいいんがくしよ)》には〈今様ノ殊ニハヤルコトハ後朱雀院ノ御トキヨリナリ〉とあり,藤原資房の《春記》にも1040年(長久1)〈今様歌之戯有リ〉と記録され,この時期に貴族社会で流行し始めたとみられる。

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大辞林 第三版の解説

いまよう【今様】

当世風。現代的。 「 -のポップス」
「今様歌」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

今様
いまよう

日本の中古および近世歌謡の種目名。普通名詞「今様」(当世風)を使って漠然と呼称していた「今様歌」を略して分類用語となった。この語の初出は『紫式部日記』の寛弘(かんこう)5年(1008)8月の項にある殿上人(てんじょうびと)たちの遊びの描写であることから、このころすでに相当に流行していて、起源としては10世紀後半にまで優にさかのぼれるとされている。諸文献の記述から推察して、初めは遊女(あそびめ)、遊芸人、傀儡(くぐつ)、巫女(みこ)が歌う卑俗な歌詞内容と、風変わりな旋律・リズムをもつという従来の歌曲にない魅力のために流行するようになったと思われる。やがて貴族階級の間でも今様合(あわせ)(歌合競技)などのなかで楽しまれるようになった。当時の今様の歌詞を集大成したものとして後白河(ごしらかわ)法皇(在位1158~92)による『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』およびその『口伝集』がある。不規則な詩型から徐々に七五調四句という新しい形式を中心とするようになる。なかでも「春の弥生(やよい)のあけぼのに」の詞(ことば)による『越天楽(えてんらく)今様』は、雅楽曲『越天楽』(平調(ひょうじょう))の旋律にのせて優雅に歌われる。越天楽の痕跡(こんせき)は寺院芸能としての延年(えんねん)や、語り物としての平曲に残され、さらにその延長線上に箏歌(ことうた)(箏曲(そうきょく))の勃興(ぼっこう)や民謡の伝播(でんぱ)(たとえば筑前(ちくぜん)今様から『黒田節』へ)がみられるので、日本の音楽史、歌謡史のなかで今様のもつ意義は大きい。[山口 修]

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世界大百科事典内の今様の言及

【傀儡】より

…日本では9世紀ごろ藤原醜人(しこひと)が中国から習って宮中で演じた(《散楽策問》)という。【吉川 良和】
[日本]
 人形を回したり今様をうたったりして漂泊した一種の芸能民。操り人形をさしてもいう。…

【日本音楽】より

…これらは貴族の音楽であるが,民衆の音楽としては田楽(でんがく),猿楽(さるがく),雑芸(ぞうげい)などが行われた。雑芸の歌謡の中には,貴族の間の流行歌謡ともなった今様(いまよう)も含まれる。しかし,田楽,猿楽が真に流行しその芸質を高めるのは次の第4期においてである。…

【法文歌】より

…歌謡。平安中期から末期に流行した今様(いまよう)の分類の一つ。今様には,ほかに神歌(かみうた),只の今様,古柳(こやなぎ),旧古柳(ふるこやなぎ),片下(かたおろし),早歌(はやうた),田歌(たうた),娑羅林(しやらりん)などがあった。…

【水】より

…《綾小路俊量卿記(あやのこうじとしかずきようのき)》(永正11年(1514)奥書)に,〈水猿曲(みずのえんきよく) 或号水白拍子(みずのしらびようし)〉の題で曲譜が所収される。他本にはない唯一の曲で,今様(いまよう)から早歌(そうが)への過渡的声曲と思われる。上記の書は,1383年(永徳3)と1430年(永享2)の五節(ごせち)の式例を記すものだが,《梁塵秘抄口伝集》巻十四の仁安1年(1166)11月の六条天皇即位の記事の個所に,〈乱舞して水白拍子唱てかへりぬ〉とあることから,すでに院政期にも歌われていたことがわかる。…

【梁塵秘抄口伝集】より

…1169年(嘉応1)3月中旬ころまでに巻一から巻九までが成り,その後年月を経て1179‐80年(治承3‐4)以降成立。巻一は神楽,催馬楽(さいばら),風俗(ふぞく)の起りや沿革などを述べ,それ以外の歌として〈今様〉を記しその起源を述べる部分で切れ,以下を欠く。《梁塵秘抄》巻一と同じく見本的なものか。…

【和讃】より

…平安末期になると,和讃はさらに発達する。その背後には,法会の音楽化の進展があったとみられるが,法会以外の場にまで広く普及していたとみられ,当時の流行歌謡〈今様(いまよう)〉にも取り入れられた。《梁塵秘抄》には,和讃から出たと思われる今様がいくつか収載されており,それが和讃へ逆輸入されて,和讃に今様調が現れはじめる。…

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