家庭医学館 「特殊な痔瘻」の解説
とくしゅなじろう【特殊な痔瘻】
■クローン病による痔瘻
クローン病は、若い人におこりやすく、消化管のどの場所にもおこる原因不明の病気です。小腸(しょうちょう)や大腸(だいちょう)が多いのですが、肛門(こうもん)がおかされた場合は痔瘻や裂肛(れっこう)をおこします。
小腸や大腸がおかされた場合は、腹痛や下痢(げり)、血便(けつべん)がおこった後に痔瘻の症状が出たり、痔瘻からクローン病が発見されることもあります。
クローン病の人のおしりは、湿った感じのする青紫色のおしりで、痔瘻も一般的なものとはみかけが少し異なり、なかなか治りません。
治療は、薬によるクローン病の治療と同時に、切開が行なわれたり、シートン法(「肛門周囲膿瘍/痔瘻」の治療)が行なわれたりします。
食事は、油分や脂肪分の少ないものが指導されます。
■結核による痔瘻
結核菌が原因でおこる痔瘻で、最近はほとんどみられません。
痔瘻の治療と同時に、抗結核薬による結核の治療が行なわれます。