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犬王 いぬおう

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

犬王 いぬおう

道阿弥(どうあみ)(1)

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世界大百科事典 第2版の解説

いぬおう【犬王】

?‐1413(応永20)
近江猿楽比叡座の能役者。法名道阿弥陀仏(道阿,道阿弥。初め犬阿弥)。1373年(文中2∥応安6)以前から活動し,82年(弘和2∥永徳2),96年(応永3)の活動記録もある。大和猿楽観阿弥よりは後輩,世阿弥よりは先輩だった。世阿弥の言によれば,情趣豊かな優美な芸風で,天女ノ舞を得意とし,貴人向きの高級な能ばかりを演じたという。そうした芸風が将軍足利義満に評価されたようで,1401年ころからの義満は世阿弥以上に犬王を後援していた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

犬王
いぬおう

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世界大百科事典内の犬王の言及

【近江猿楽】より

…しかし,近江猿楽の芸は早くから洗練されていたらしい。それは比叡座の名手犬王(いぬおう)の至芸を世阿弥が称賛していることなどからうかがわれることだが,物真似を主体とした大和猿楽の芸風に対して,近江のそれは風情・情緒においてすぐれたものがあったようである。だが,犬王以降,近江猿楽にはこれといった名手が出ず,上三座も座名の変更など幾転変を経たのち,近世初期には観世座のツレや囃子方として大和四座に吸収されることとなる。…

【世阿弥】より

… 1384年(元中∥至徳1)に父が没し,まだ初心段階の世阿弥が観世大夫(結崎座の演能グループたる観世座の統率者)を継いだ。美童としての魅力はすでに失せ,田楽新座の喜阿弥や近江猿楽比叡座の犬王(いぬおう)らの競争相手も父の在世期から台頭しており,新大夫の前途は多難だったろうが,世阿弥は精進を重ねて苦境をのりこえたようで(当時の記録は皆無に近い),99年(応永6)には京都一条竹ヶ鼻で3日間の勧進猿楽(勧進能)を催し,将軍の台臨を得て,天下の名声を獲得した。翌年に《風姿花伝》の第三までを書いたのは,彼の自信の表明でもあったろう。…

【能】より

…とくに夢幻能という様式を完全な形に練り上げたことと,能の道の理論的裏付けとしての約20種の著述を残したことは不滅の功績である。近江猿楽には犬王(いぬおう)(後の道阿弥)という幽玄風の名手が出たが,後継者に恵まれず,室町中期から急速に衰えた。一方,大和猿楽は観世座を先頭に他の3座も力を伸ばし,観世元雅(もとまさ),金春禅竹(ぜんちく),観世信光(のぶみつ)らがそれぞれの持ち味の作能を行うなどして,他の地方の猿楽を圧倒した。…

※「犬王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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