狐禅寺村(読み)こぜんじむら

日本歴史地名大系 「狐禅寺村」の解説

狐禅寺村
こぜんじむら

[現在地名]一関市狐禅寺

北東流する磐井いわい川が北上川へ合流する地点東側にある。北は北上川を境に相川あいかわ村、南は滝沢たきざわ村。伝承では藤原秀衡のとき、橋に化けて人々を悩ます平泉の化狐が弓の上手な家来に射殺された。化狐の首は北上川を流れ下って当地の大明舞だいみようぶ屋敷へ流れつき、埋めて首塚を築いた。塚前に大明舞稲荷大明神(現青竹稲荷神社)を祀り、白馬山狐禅寺(現光西寺)を建てて別当寺としたという(文政四年「旧記留」狐禅寺小学校編「郷土教育資料」所収)。村名はこの狐禅寺にちなむと伝える。天正七年(一五七九)一〇月五日の鈴木蔵人宛行状(一関小野寺文書)には「狐禅寺村」のうち一二貫文の地を小野寺新介に宛行うとみえるが不詳。慶長六年(一六〇一)の留守政景知行目録写(留守文書)では「こせんし」四三貫三一四文とある。同七年政景は加増分として当地内三〇〇刈の地を家臣小幡伯耆に宛行っている(「留守政景知行宛行状」水沢小幡文書)

近世領主の変遷は一関村と同じ。正保郷帳では田三〇貫六六四文・畑二七貫七〇二文、ほかに新田五貫一八九文があり、水損と注記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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