デジタル大辞泉
「狡兎死して走狗烹らる」の意味・読み・例文・類語
狡兎死して走狗烹らる
《「史記」越王勾践世家から》うさぎが死ぬと、猟犬も不要になり煮て食われる。敵国が滅びたあとは、軍事に尽くした功臣も不要とされて殺されることのたとえ。
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精選版 日本国語大辞典
「狡兎死して走狗烹らる」の意味・読み・例文・類語
こうと【狡兎】 死(し)して=走狗(そうく)[=良狗(りょうく)]烹(に)らる
- ( 「韓非子‐内儲説下」、「呉越春秋‐夫差内伝」などに見えるたとえ ) 狡兎が死ねば、猟犬は不用となり、煮て食われる。敵国が滅びれば、それまでてがらのあった謀臣は邪魔にされて殺されるということのたとえ。狡兎尽きて良犬烹らる。
- [初出の実例]「狡兎(かウト)死(シ)して走狗(ソウク)烹(ニ)られ、飛鳥尽きて良弓蔵めらるるの喩(たとへ)の如く」(出典:歌舞伎・会稽源氏雪白旗(1888)中幕口)
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狡兎死して走狗烹らる
敵が滅びたあと、功績のあった者が邪魔にされ、殺されてしまうことのたとえ。
[使用例] もはや織田家は苦闘時代の織田家ではない。光秀のような大きすぎる道具を必要としないであろう。〈略〉(どうやら、狡兎死シテ走狗烹ラルという古言のとおりになってきたらしい)[司馬遼太郎*国盗り物語|1963~66]
[由来] 中国の古い書物で、しばしば引用されていることわざ。たとえば、「[史記]―越世家」には、次のようにあります。紀元前五世紀、春秋時代のこと。越の国の大臣、范蠡は、王を補佐して、宿敵、呉を滅ぼすことに成功しました。しかし、彼はそのあと、すぐに越の国から立ち去ってしまいます。それは、「狡兎死して走狗烹らる(獲物のウサギが捕まって死ねば、不要となった猟犬は煮て食われる)」と言われる通り、越王はいずれ、自分を邪魔に感じ始めるだろう、と考えたからでした。
〔異形〕狡兎死して良狗烹らる/狡兎尽きて良犬烹らる。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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