狩屋村(読み)かりやむら

日本歴史地名大系 「狩屋村」の解説

狩屋村
かりやむら

[現在地名]玄海町大字仮屋かりや

仮屋湾に面し、村の大半は突出した岬となり、その先端は畳崎たたみざき絶壁が海蝕を受け奇観を呈する。天狗てんぐ(一四五・九メートル)を最高峰とする台地で、基部に石田いしだ川が流れ、石田村と境する。唐津藩政期、漁業を行う領内の浦二〇の一つにあげられる。

松浦廟宮先祖次第並本縁起に鏡神社二の宮祭神の藤原広嗣に関して「即遁去肥前国松浦郡値加浦竜駒遥欲隣朝馬於海上敢進」とある値加浦は平戸ひらど(現長崎県)に比定されるが、「肥前拾風土記」は「仮屋の浦」という。慶長絵図には「賀利屋」と記し、正保絵図には「仮屋村」とある。

現玄海町と肥前町に挟まれた仮屋湾は陸部沈降による溺地で、水深があり、波穏やかで、船泊に最適である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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