朝日日本歴史人物事典 「狩野秀頼」の解説
狩野秀頼
室町・安土桃山時代の狩野派の画家。「秀頼」印を捺す作品がいくつか遺っているが,その伝歴については不明の点が多い。狩野元信の次男で元信に先立って死去したという説(『本朝画史』)と,元信の孫の真笑とする説とに分かれるが,永禄12(1569)年の年紀がある「神馬図額」(島根県賀茂神社蔵)を描いており,元信没後まで活躍していたことは疑いなく,元信の孫の可能性が高い。代表作に近世初期風俗画中最高の傑作のひとつ「高雄観楓図屏風」(東京国立博物館蔵)がある。<参考文献>辻惟雄「狩野秀頼考」(『国華』986号)
(榊原悟)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報