猿繋ぎ(読み)サルツナギ

デジタル大辞泉 「猿繋ぎ」の意味・読み・例文・類語

さる‐つなぎ【猿×繋ぎ】

中世近世建築物で、開き戸を開いたまま壁や柱などにつなぎ留めておく金具。あおり止め。
猿をつなぐように人を後ろ手に縛り、木などにつなぐこと。
「締め付け、捻ぢ倒し、一人も洩らさず―」〈浄・会稽山

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精選版 日本国語大辞典 「猿繋ぎ」の意味・読み・例文・類語

さる‐つなぎ【猿繋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 猿をつなぎ止めておくように、人をしばって、その綱を柱などにつないでおくこと。罪人などをうしろ手にしばり、木などへつなぐこと。
    1. [初出の実例]「小者下男下女迄に縄をかけて猿(サル)つなぎにして」(出典浮世草子世間娘容気(1717)二)
  3. 開き戸を開いたとき、風などであおられないように、固定しておく金具。開き戸の下の端にかけがねをつけ、戸をあけたときに、それを建物のかまちに打った金具に引掛けてつないでおくもの。あおりどめ。
    1. [初出の実例]「椽の猿繋に、よくよく戸をひらき、御通り候時、風など吹きたてざるやうに気遣有る可く候」(出典:武雑記(16C中か))

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