玄猪(読み)ゲンチョ

デジタル大辞泉 「玄猪」の意味・読み・例文・類語

げん‐ちょ【玄×猪】

の子のいわい」に同じ。 冬》柑橘かんきつに霜静かなる―かな/蝶衣」
イノシシの頭に似た形の花器池坊流生花せいかに多く用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「玄猪」の意味・読み・例文・類語

げん‐ちょ【玄猪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 陰暦一〇月の亥の日。この日の亥の刻に新穀でついた餠(もち)を食べて、その年の収穫を祝ったものといわれる。厳重(げんちょう)。→亥子(いのこ)。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「三日月のおぐらき程に玄猪哉」(出典:俳諧・五元集(1747)亨)
  3. 陰暦一〇月の亥の日に食べた餠。亥子餠(いのこもち)。玄猪の餠。厳重(げんちょう)の餠。厳重。〔易林本節用集(1597)〕
  4. 置花生けの一つ。イノシシの頭に似た形のもので、主として池坊生花に用いる。

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世界大百科事典(旧版)内の玄猪の言及

【亥子餅】より

…宮中でも9世紀中ごろから亥子餅が作られた。玄猪(げんちよ)ともいい,宮中の男や女房などにも与えられた。また,これを錦に包んで夜の御殿の四隅にさした。…

※「玄猪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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