玉城(町)(読み)たまき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「玉城(町)」の意味・わかりやすい解説

玉城(町)
たまき

三重県中東部、度会郡(わたらいぐん)にある町。1955年(昭和30)田丸(たまる)町と東外城田(ひがしときだ)村、有田(うだ)村(一部)が合併して成立。1956年下(しも)外城田村を編入。JR参宮線(さんぐうせん)が通じ、伊勢自動車道(いせじどうしゃどう)の玉城インターチェンジが設置されている。中心集落の田丸は1336年(延元1)北畠親房(きたばたけちかふさ)が田丸城を築いた地で、近世は和歌山藩田丸領の城下町、また伊勢本街道と熊野街道の分岐する交通の要地であった。1765年(明和2)の記録には「当地宿泊二千人」とある。田丸城跡(県の史跡)は石垣のみが残り、城山公園となっている。伊勢市の西に隣接する伊勢平野の農村で、米作を中心に畜産、野菜栽培、果樹栽培などとの複合経営が行われている。田宮寺(たみやじ)の木造十一面観音(かんのん)立像二体は国指定重要文化財。面積40.91平方キロメートル、人口1万5041(2020)。

[伊藤達雄]

『池山始三著『田丸郷土誌』(1977・三重県郷土資料刊行会)』『『玉城町史』全2巻(1995~2005・玉城町)』


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