玖珂庄(読み)くがしよう

日本歴史地名大系 「玖珂庄」の解説

玖珂庄
くがしよう

古代の玖珂郷の郷域を荘域とすると思われる荘園後白河法皇長講ちようこう(跡地は現京都市下京区)領の一つであるが、立荘の時期は不詳。荘名の初見は建久二年(一一九一)一〇月の長講堂所領注文(島田文書)

<資料は省略されています>

とその公事が記される。長講堂領はその後宣陽門院勤子に譲られ、鷹司院から持明院統の料地として伝領された。応永一四年(一四〇七)三月の長講堂御領目録(八代恒治氏所蔵文書)によれば玖珂庄から「年貢枝木千物」が納入されている。

荘内には関係史料は残らなかったが、現周東しゆうとう用田ようだ西午王にしごううちにある古寺二井寺にいでら(現極楽寺)の鐘銘に「周防国玖珂庄新寺 文永九年十一月日、大工依継 願主明真」とあり、すでに「今昔物語集」などにみえる二井寺が、玖珂庄内であったことが知れる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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