琺瑯質(読み)ホウロウシツ

精選版 日本国語大辞典 「琺瑯質」の意味・読み・例文・類語

ほうろう‐しつハフラウ‥【琺瑯質】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 歯の主部である象牙質を歯冠部で包む透明な薄層。組織中最も硬く、放線状に配列する無数の結晶石灰の稜柱からなる。エナメル質。〔医語類聚(1872)〕
    1. [初出の実例]「粗悪なる歯磨粉は歯の琺瑯質(ハフラウシツ)を害し」(出典:欧米最新美容法(1908)〈東京美容院〉)
  3. 琺瑯を引いたように見える状態。また、琺瑯を引いたもの。
    1. [初出の実例]「泥鰌が一二尾づつ喘いで水面へ突貫する。側面の鍋の琺瑯質(ハフラウシツ)へも鼻面を突上げる」(出典:どぜう地獄(1924)〈岡本一平〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の琺瑯質の言及

【歯】より

…まず歯は歯冠と歯根に分けられる。歯冠は解剖学的にはエナメル質enamel(かつてはホウロウ質といわれた)でおおわれている範囲をいい,歯根はエナメル質を欠き,セメント質cementumでおおわれている範囲をいう。歯冠と歯根の移行部を歯頸といい,ふつう少しくびれていて,正常状態では自由歯肉で取り巻かれているので,歯冠の一部は歯肉縁下にある。…

※「琺瑯質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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