象牙質(読み)ぞうげしつ(英語表記)dentine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

象牙質
ぞうげしつ
dentine

歯の主体をなす硬組織で,象牙芽細胞からつくられる。ヒトでは,歯冠部はエナメル質で,歯根部はセメント質でおおわれており,淡黄色で,エナメル質ほど硬くないが,骨よりも硬い。形はほぼの外形に一致し,中央部の歯髄腔を囲んでいる。歯髄腔を中心として,象牙質の表面に向って放射状に象牙細管が走り,内部を象牙線維が貫いている。これに沿って感覚神経線維が走っているので,う蝕(虫歯)その他の原因でエナメル質やセメント質が欠損し,象牙質が露出すると,痛みを感じるようになる。この場合,う蝕部が歯髄に近かったり,長期間露出していたり,あるいは神経質な人などでは,知覚の亢進状態が長く続くことがあり,象牙質知覚過敏症といわれる。

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大辞林 第三版の解説

ぞうげしつ【象牙質】

歯の主体をなす組織。内部に歯髄腔をもち、歯冠部はエナメル質、歯根部はセメント質におおわれている。性質は骨に類似しているが骨より硬い。歯質。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

象牙質
ぞうげしつ

歯の硬組織の主体をなし、エナメル質とセメント質に覆われ、内部には歯髄がある。無機質が約70%を占め、エナメル質との境界面から歯髄腔(くう)に向かって象牙細管が走っている。象牙質を削ると強い痛みを生じる。[村井正昭]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぞうげ‐しつ ザウゲ‥【象牙質】

歯の中央部を占める淡黄色の硬い組織。エナメル質とセメント質におおわれ、内部に歯髄がある。ゾウの牙のその部分が最もよく発達しているためこの名がある。歯質。
※医語類聚(1872)〈奥山虎章〉「Eburneatio 象牙質ヲ生ズルコト」

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世界大百科事典内の象牙質の言及

【歯】より

… 第2はその他すべての脊椎動物,つまり顎骨(がくこつ)を備えた顎口類にみられるリン酸カルシウム質の歯で,真の歯ともいうべきものである。これは中心部にある歯髄,主体をなす象牙質,歯冠表面のエナメル質,および哺乳類の歯根表面にあるセメント質という4種の組織からなる特異な器官で,発生学的には歯髄,象牙質,セメント質は真皮を母体とし,エナメル質は口腔上皮を母体として形成される。エナメル質は鉱物質の結晶のかたまりで,生体中で最も硬度の高い組織であるが,他の3組織は生活組織である。…

※「象牙質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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