環大西洋貿易投資連携協定(読み)カンタイセイヨウボウエキトウシレンケイキョウテイ(英語表記)Transatlantic Trade and Investment Partnership; TTIP

デジタル大辞泉 の解説

かんたいせいよう‐ぼうえきとうしれんけいきょうてい〔クワンタイセイヤウボウエキトウシレンケイケフテイ〕【環大西洋貿易投資連携協定】

ティー‐ティー‐アイ‐ピー(TTIP)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

環大西洋貿易投資連携協定
かんたいせいようぼうえきとうしれんけいきょうてい
Transatlantic Trade and Investment Partnership; TTIP

アメリカ合衆国ヨーロッパ連合 EUとの間で 2013~16年に交渉された貿易自由化,投資の自由化(→資本自由化)の枠組みTTIP(ティーティーアイピーあるいはティーティップ)と略称される。大型の自由貿易協定 FTAの一つで,関税撤廃,投資の自由化のほかに,製品基準や規制の統一,知的財産権の保護など幅広い分野が対象となった。アメリカのオバマ政権時に交渉開始。アメリカ,EUともに平均関税率はそれほど高くないものの,品目によって高い事例もあり,自由化による効果は大きいと当初見込まれた。また,自動車の安全基準といった規制の統一は,手続きや費用の負担軽減につながるほか,事実上の国際標準となり,世界市場でアメリカと EUの発言力が一段と強まることも期待された。双方は全体の 97%の品目で関税撤廃を目指すことでほぼ一致したが,安全性の観点から EUが難色を示した遺伝子組換え食品や成長ホルモンが投与された肉類輸出入,アメリカが自国企業を優先させる公共調達分野の開放などの非関税障壁をめぐって対立が続いた。2017年アメリカで保護主義的(→保護貿易)なトランプ政権が成立したのを機に交渉凍結。実現すれば,世界の国内総生産 GDPの 4割超を占める巨大経済圏となるはずであった。

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