デジタル大辞泉
「自由貿易協定」の意味・読み・例文・類語
じゆうぼうえき‐きょうてい〔ジイウボウエキケフテイ〕【自由貿易協定】
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自由貿易協定
工業製品や食品の貿易を活発にするため、輸入にかかる関税を互いに撤廃、削減する協定。英語の「Free Trade Agreement」の頭文字を取り、FTAとも呼ばれる。世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉が停滞し、各国で締結の動きが活発になった。相手国の製品や食品を安く入手できるが、国内の産業や農業が打撃を受ける心配がある。(ワシントン共同)
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自由貿易協定(FTA)
二つ以上の国・地域による関税の撤廃や引き下げの取り決め。関税以外の貿易障壁の撤廃も含まれ、工業製品から農産物まで幅広い品目が対象となる。日米2国間のFTAを巡っては、2009年の衆院選で民主党(当時)が当初のマニフェスト(政権公約)に締結方針を明記し、自民党が「日本農業を売り渡すに等しい」と批判した経緯がある。
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自由貿易協定
じゆうぼうえききょうてい
Free Trade Agreement; FTA
特定の国や地域の間で,工業製品や農産物の関税を下げたり,サービス産業の外資規制をなくしたりするなどして,貿易自由化を進める枠組み。FTAと略称される。二国間のほかに地域全体の自由化をはかる地域統合型がある。第2次世界大戦後,国際社会は,関税及び貿易に関する一般協定 GATT(ガット,1948発足)と後継の世界貿易機関 WTO(1995発足)の場で自由化交渉を行なってきた。だが WTOの意思決定は原則全会一致であるため時間を要し,また新興国(→BRICS)の台頭に伴って先進国との間で対立が激しくなり交渉が行きづまったことから,これに代わって FTA交渉が活発化した。FTAは WTOルールで例外的に認められており,WTOでの交渉より自由化の水準を高められる。一方,二国間協定の動きが広がると,「スパゲティボウル現象」と呼ばれる規則や基準が乱立する事態が起こる。このため各国はより広範囲の地域統合型の FTAを志向するようになった。地域統合型としては,ヨーロッパ連合 EU,北米自由貿易協定 NAFTA,東南アジア諸国連合 ASEANなどがある。またアジア太平洋経済協力会議 APECはアジア太平洋自由貿易圏 FTAAP構想を掲げている。2018年3月時点での世界の発効済み FTA,関税同盟数は 285件。
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知恵蔵
「自由貿易協定」の解説
自由貿易協定
EPAは日本が提唱する協定で、特定の国や地域の間で関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃するFTAに加えて、投資規制の撤廃や知的財産制度の調和など幅広い分野で共通ルールを定めるもの。すでに発効しているのが、シンガポール(2002年11月)、メキシコ(05年4月)とのEPA。マレーシアとは05年12月、フィリピンとは06年9月にそれぞれEPAに署名。タイとは交渉中で、大筋合意している。インドネシアなどは交渉中である。韓国との間では03年10月の日韓首脳会談(バンコク)での交渉開始の合意後、交渉がなされたが、04年11月以来中断している。2カ国間のEPAに加えて、ASEANと05年4月から交渉を開始し、05年12月の日本・ASEAN首脳会議で、4月から開始された交渉を2年以内に終える努力をすることで一致した。また06年8月、日本は中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド・インド・ASEAN諸国の合計16カ国による経済連携協定構想(東アジアEPA構想)を、ASEAN経済相会合で示した。EUやNAFTAなどの規模をもつ地域主義づくりの第一歩といえる。しかし、ASEANと10年までに自由貿易地域を創設することにしている中国と比べ、遅れをとっている。
自由貿易協定
自由貿易協定(FTA)とは、特定国の間でモノの関税・貿易制限措置ならびにサービス貿易の障壁を原則撤廃する協定。経済連携協定(EPA)とは、FTAに加えて、投資協定、知的財産権、労働市場の開放、紛争仲介、競争政策等、締約国間の経済制度の調和や経済活動の一体化のための広範囲な取り組みを含む協定。FTA/EPAでは、規模の経済、競争条件の改善等による経済効率の向上だけでなく、政治・外交的な結びつきも強化される効果が期待される。世界的にFTA/EPAの締結例が増えているなか、日本も2002年に発効したシンガポールとのEPA締結に続き、05年4月にはメキシコ、06年7月にはマレーシアとのEPAが発効した。また韓国との間でEPAの締結交渉を進めているほか、ASEANとも05年4月より交渉を開始した。アジアを含めた途上国の関税率はいまだに高く、日本にとってこれらの国々と結ぶFTA/EPAの意義は大きい。
自由貿易協定
特定の国や地域が貿易などの規制を排除し、経済活動の活性化に向けて締結する協定。関税撤廃だけでなく、投資、サービス、知的財産権での政策協調策が盛り込まれるケースが多い。特に東南アジア諸国と域外との間でFTA締結の動きが加速している。攻勢が目立つのは中国で、2005年7月にはASEANとの間で合意されていた物品のFTAが発効した。約7000品目について段階的に関税を引き下げる予定で、東南アジアに対する中国の存在感がさらに高まることが予想される。日本とASEAN諸国との間で進められているFTA交渉は単なる自由貿易協定ではなく、投資や人の移動、知的財産保護をめぐるルール作りなども含むため、経済連携協定(EPA)と呼ばれる。07年11月のASEAN経済相会議で日本とASEANとの間のEPA交渉が妥結した。
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「自由貿易協定」の意味・わかりやすい解説
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