瓢形墳(読み)ひょうけいふん

改訂新版 世界大百科事典 「瓢形墳」の意味・わかりやすい解説

瓢形墳 (ひょうけいふん)

(1)朝鮮,新羅時代の墳墓の形式。2人の被葬者を近接した地点に葬るために,時期をへだてて2基の円墳を築造したもので,先につくった墳丘の一部を除去して新しい墳丘を増設する。慶州皇南大塚に例をとっていえば,径80mの2墳を南北に並設した長径が120mというから,先につくった墳丘の4分の1は破壊をうけたことになる。皇南大塚は先につくった南墳に男性を葬り,増設した北墳に女性を葬った夫婦塚であることが判明している。

(2)前方後円墳の旧称。瓢簞を半ば土に埋めたように,まるい高まりを二つもつ墳形が一般的であると想像して,これを瓢塚(ひさごづか)あるいは瓢形墳と呼び,その形が整って,一方が角ばったものが前方後円墳であると考えるのが,明治期の認識であった。しかし日本にも,大阪府南河内郡河南町金山(かなやま)古墳のように,実際に円墳を二つあわせた平面形をもち,周濠外郭も瓢形につくっていて,前方後円墳とはいえない瓢形墳もある。金山古墳の場合は二つの円墳が外接する関係にある。新羅の瓢形墳と区別するために,双円墳と呼ぶこともよい。
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