改訂新版 世界大百科事典 「甕城」の意味・わかりやすい解説
甕城 (おうじょう)
wèng chéng
中国の城門の外側に突出して設けられた半円形または方形の城壁。城門の防御を強化する目的のもので,しばしば二重,三重につくられる。門が横に開かれて通路が屈折するものと,直進のものとがある。日本の城郭の升形(ますがた)に相当。起源は唐代ころの辺境地方の城らしく,宋・遼以降さかんにつくられた。北宋の首都汴梁(べんりよう)(開封)の城門はすべてこの形式だった。明・清時代の北京や蘇州などに実物が現存する。
執筆者:田中 淡
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報