出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
瓶とも書く。口が大きく底の深い陶磁器の容器で、古くは酒・しょうゆなど、後世は広く水を入れる容器として用いられた。普通、甕より口の小さい小形のものを壺(つぼ)という。ただし、考古学では、形の大小にかかわらず深くて口の大きな深鉢形土器を甕とする。甕は人類がつくった最初の土器とみられ、北方ユーラシアの漁猟民族の間では、尖底(せんてい)・円底の甕が広く分布し、煮炊き用の容器として、そのまま炉にかけて、鍋(なべ)・釜(かま)に利用された。日本でも縄文式土器は最初から深鉢形土器の甕が中心で、初め尖底・円底で、のちに平底ができた。口頸(こうけい)のつぼんだ壺形の出現は後期になってからである。弥生(やよい)式土器には貯蔵用は壺形、煮炊き用は甕形という二つの形式が並行して行われた。甕は古くはその用途・大きさによって、ユカ、ミカ、ホトギとよばれたが、ユカ(由加)は祭事に用い、ミカ(瓺)は主として酒を醸すために用いられ、これらはいずれも大甕が使用された。一方、ホトギ(缶)は小さな瓦器(がき)で、湯水などを入れるのに用いられた。甕は水・酒・酢・しょうゆ・油など液体飲料物の貯蔵・製造用具として使用されたが、塩・梅干し・漬物などの保存・加工用具のほか、藍(あい)汁・肥(こえ)だめの容器、また遺骸(いがい)を納める棺としても用いられた。しかし、鎌倉末期から室町時代にかけて桶結(おけゆい)技術が発達し、酒・油など液体の運搬・貯蔵に便利な桶・樽(たる)が出現するに及んで、重量が重く、かつ破損しやすい在来の甕・壺の類にとってかわり、甕はしだいに水の貯蔵など限られた範囲に使用されて近代に至った。現在では、さらに、ガラス、ほうろう、鉄器などの発達によって、甕の使用はほとんどみられなくなっている。
[宮本瑞夫]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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