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産後うつ さんごうつPost-partum Depression

知恵蔵miniの解説

産後うつ

出産後に起こる生活環境の変化や責任の増大などにより、女性やその夫が抑うつ状態になること。うつ病の一分類として「産後うつ病」(略称・PPD)ともいわれる。主に母親が育児を担当すること、また出産を機に女性ホルモンの分泌が急激に変化することから、女性が産後うつになることが多い。女性の発症率は、欧米で10~30%とされている。出産の2~3週間後から食欲・意欲の減退や睡眠障害、不安といったうつ症状が始まることが多く、数か月、数年単位で続くこともある。子への虐待、自殺、無理心中などにもつながりうることから、日本では2001年からの母子保健行動計画「健やか親子21」で発生率の減少を目標に掲げ、対策に取り組んでいる。16年1月には、国立成育医療研究センターなどのチームが、妻が出産した後の夫の2割弱が産後うつの傾向を示すとの調査結果を発表した。

(2015-1-7)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

産後うつ
さんごうつ

子を出産した直後から3か月後ほどの間に母親に発症するうつ病。同様に出産直後から数か月の間に母親に現れ、軽度のうつ症状および神経症状を呈するものは、マタニティ・ブルーとよばれる。こちらは一過性のものが多く、短い間に回復がみられるが、これが重症化したものが産後うつであり、治療の対象となる。産後うつを呈するのは、出産した母親のおよそ10人に1人といわれている。うつ症状が長引き、長期にわたって育児への過度な不安や恐怖および焦燥感などを強く訴える。自殺企図につながったり、育児放棄や子への虐待などに発展してしまうケースもある。マタニティ・ブルーを経験したことのある母親は、その後産後うつになる確率が高いともいわれる。
 妊娠および出産を支援する目的で、産後うつの相談窓口を設けるなど、対策に取り組む自治体も増えている。また、妊産婦の出産直後の子育て不安の軽減と育児指導を目的とする「産後ケアセンター」も全国に整備されつつある。なお、日本産科婦人科学会では、2017年(平成29)に改定する「産婦人科診療ガイドライン」に、「産後うつ」対策を盛り込むことを決めている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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