田園詩(読み)でんえんし

精選版 日本国語大辞典 「田園詩」の意味・読み・例文・類語

でんえん‐しデンヱン‥【田園詩】

  1. 〘 名詞 〙 田園風物を題材または背景として、素朴な田園の情緒をうたいあげた詩。特にヨーロッパで、ロマン主義の一形態として、一八世紀末から一九世紀にかけて盛んに行なわれた。
    1. [初出の実例]「此等の光景を朦朧たる楕円形の裡に描き出して、田園詩(デンヱンシ)一節のやうに浮べて居る」(出典武蔵野(1898)〈国木田独歩〉八)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田園詩」の意味・わかりやすい解説

田園詩
でんえんし

牧歌」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の田園詩の言及

【山水田園詩】より

…中国の詩の中で,叙景を主とし,自然観照の中に,人間界を越えた高い心境を表現しようとするもの。細別すると,山や川などの純粋叙景が山水詩,農村風景を,その中で働く農民の姿を含めて歌うのが田園詩である。 山水田園詩は,自然の中に,人間界の苦悩と束縛とにわずらわされないユートピアが存在するという思想に基礎を置くもので,このような思想はすでに《論語》や《荘子》に見える,春秋戦国時代の隠者にあらわれている。…

【牧歌】より

…語源はラテン語のpastor(〈牧羊者〉の意)である(イディルidyllは別語源だが,パストラルと同じ内容で用いられることが多い)。田園詩と呼ぶこともあり,羊飼いのほか,牛飼い,農夫らも登場した。前3世紀のアレクサンドリアの詩人テオクリトスによってジャンルとして確立されたが,彼自身は羊飼いでも農民でもなく,腐敗した宮廷に仕える宮廷詩人であった事実に注目すべきであろう。…

※「田園詩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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