日本歴史地名大系 の解説 甲佐井手・下豊新井手・早川井手こうさいで・しもとよしんいで・そうがわいで 熊本県:上益城郡甲佐町甲佐井手・下豊新井手・早川井手加藤清正は慶長一二年(一六〇七)に緑川と釈迦院(しやかいん)川を合流させる鵜(う)ノ瀬(せ)堰を築いた際、甲佐井手を合せて掘っている(甲佐町史)。甲佐井手は上豊内(かみとようち)の分水口から岩下(いわした)の中央を流れ、県道川尻―甲佐線に沿って糸田(いとだ)の字塔(とう)ノ木(き)まで至り、そこから県道をそれて糸田集落を流れ、糸田堰からの用水井手と合流している。現在、岩下・仁田子(にたご)・大町(おおまち)・横田(よこた)・有安(ありやす)・下横田(しもよこた)・早川・糸田の四三九町の水田を灌漑し、町民の生活用水としても利用されている。下豊新井手は鵜ノ瀬堰から分水し、上豊内・下豊内・横田・中横田を経て下横田へ至っている。中横田・下横田の丘陵地帯の一〇町九反余の用水の便を図る目的の井手で、文政七年(一八二四)に完成した(甲佐町史)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by