甲矢(読み)ハヤ

デジタル大辞泉 「甲矢」の意味・読み・例文・類語

は‐や【甲矢/兄矢/早矢】

2本持って射る矢のうち初めに射る矢。矢をつがえたとき、3枚羽根の羽表が外側になり裏が手前になる矢。→乙矢おとや

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「甲矢」の意味・読み・例文・類語

は‐や【甲矢・兄矢・早矢】

  1. 〘 名詞 〙 手に持った二本の矢のうちで、初めに射る矢。三本羽(三立羽(みたてば))の矢は、鳥の羽三枚で二本の矢を作るので、弓につがえて羽表を外に向けた一矢と、内に向けた一矢ができる。これを対にして一手(ひとて)といい、外向(とむき)を先に射るのを例とする。これに対して二番目の矢を乙矢(おとや)という。
    1. [初出の実例]「はやを射るに、まへの串にあたりぬ」(出典:古今著聞集(1254)九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の甲矢の言及

【弓道】より

…鏃は古くは石,骨,銅製のものもあったが,多くは鉄製であり,その形状は使用目的によって多様である。なお,矢は2本(甲矢(はや),乙矢(おとや))を一手(ひとて)と呼び,4本を単位として使用することが一般的である。弽(ゆがけ)は弓を射る場合に右手にはめる手袋様のもので,鹿革で作られ,射の目的によって形や構造が相違する。…

※「甲矢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android