20世紀日本人名事典 「甲野勇」の解説
甲野 勇
コウノ イサム
大正・昭和期の考古学者 国立音楽大学教授;多摩考古学研究会会長。
- 生年
- 明治34(1901)年7月31日
- 没年
- 昭和42(1967)年10月15日
- 出生地
- 東京市日本橋区(現・東京都中央区)
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学理学部人類学科〔大正14年〕卒
- 経歴
- 大正14年東京帝大副手、15年大山史前学研究所創設に参画、埼玉県真福寺貝塚など関東各地の貝塚で層位的発掘を行い、その成果を「関東地方に於ける縄紋式石器時代文化の変遷」として発表した。また青森県是川遺跡や秋田県大湯の環状列石などの学術調査に道を拓いた。昭和13年には日本民族学会北方文化調査団に加わり樺太の東多来加貝塚を調査。14年東京帝大理学部人類学教室嘱託、18年厚生省研究所人口民族部の嘱託となった。戦後は20年市川市国府台に日本考古学研究所を設立、23年「日本考古学」創刊、後藤守一らと武蔵野郷土館を開設。25年慶応義塾大学文学部予科講師、29年国立音楽大学教授。武蔵野文化協会理事、多摩考古学研究会会長なども務め、縄文土器文化の編年確立に努めた。著書に「武蔵野を語る」「東京の秘境」「縄文土器のはなし」「未開人の身体装飾」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報