男流文学(読み)だんりゅうぶんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「男流文学」の意味・わかりやすい解説

男流文学
だんりゅうぶんがく

上野千鶴子,小倉千加子,富岡多恵子鼎談による,フェミニズム批評『男流文学論』 (1992年1月) より出た言葉。この鼎談は「不当に高く評価された男性作家の仕事を読み直し再検討する」もので,取上げられた作家は,吉行淳之介,島尾敏雄谷崎潤一郎小島信夫村上春樹三島由紀夫の6人。女性の立場から,男流文学のキモチ悪さを楽しそうにあげつらっている趣もあり,この批評のあり方自体が既存の文学というシステムに寄りかかっているとする指摘もある。しかし,その基底にある,文学に女流も男流もないはずだという主張は,最近の各種文学賞の女性受賞者の増加とともに注目される。

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