精選版 日本国語大辞典 「町回」の意味・読み・例文・類語
まち‐まわり‥まはり【町回】
- 〘 名詞 〙
- ① 町を回り歩くこと。町内を見回ること。
- [初出の実例]「町まはりして帰るさに」(出典:浄瑠璃・出世景清(1685)道行)
- ② 江戸時代、町飛脚が、金銀、書状などを集配するために町を回り歩いたこと。
- [初出の実例]「町廻りの状取立帰って」(出典:浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)上)
- ③ 江戸時代の京坂歌舞伎で、毎年一〇月に次の年度の座元がきまると、その座元をかごに乗せ、銀主の手代や表方(おもてかた)がそろって、おもなひいき先へ挨拶に回ること。〔戯場楽屋図会(1800)〕
- 町回③〈戯場楽屋図会〉
- ④ 宣伝のために町を回ること。特に、役者や劇団などが、興行する前に宣伝のため町を回ること。
- [初出の実例]「役者の町廻りほどにも顔を見られて了ふわけだった」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉水神)