朝日日本歴史人物事典 「畠山義信」の解説
畠山義信
生年:天保12(1841)
明治期の紀州綿ネルの創製者。通称三左衛門。紀州(和歌山)藩戍兵大隊に所属していた明治3(1870)年,小倉織に毛掻き(起毛)して兵士の被服,肌着用織物を試作した。同5年,和洋糸混織で起毛した輸入フランネル様の縞ネルを製造し,大阪順慶町の岩崎九兵衛に販売させた。以後各鎮台に採用され,平松芳次郎による染色改良などにより,紀州綿ネルは特産品に成長していった。同18年繭糸織物陶漆器共進会において,功労賞50円を授与されたが,紀州綿ネル創製者については異説もある。<参考文献>安藤精一「創成期の和歌山綿ネル業」(『経済理論』117号)
(高村直助)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報