番立(読み)バンダチ

デジタル大辞泉 「番立」の意味・読み・例文・類語

ばん‐だち【番立】

江戸時代歌舞伎劇場で、毎朝序幕の開く前に、下級俳優三番叟さんばそうを舞って舞台を清め、大入りを祈った儀式。また、その囃子はやし

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精選版 日本国語大辞典 「番立」の意味・読み・例文・類語

ばん‐だち【番立】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代の歌舞伎劇場で、舞台を清め、大入を祈願して序幕の前に下級の若い役者が三番叟(さんばそう)を舞ったこと。また、その囃子
    1. [初出の実例]「毎朝あさの太鼓を打と表の木戸にて声をあぐる。是より番だちとてわかいしゅ三番叟ばかりをつとむる。続て脇狂言をはじむ」(出典:絵本戯場年中鑑(1803)下)

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世界大百科事典(旧版)内の番立の言及

【三番叟物】より

…翁を太夫元,千歳(せんざい)を若太夫,三番叟を座頭役者が勤めるもので,天下太平,五穀豊穣(ほうじよう),芝居繁盛を祈願する心であった。毎日儀式を行うわけにはいかないところから,下級俳優による略式の《三番叟》がつくられ,これを〈番立(ばんだち)〉といった。明治中期までは小劇場で開演前に演じられ,今日は地方の地芝居にその習慣が残っている。…

※「番立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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