大入(読み)おおいれ

精選版 日本国語大辞典 「大入」の意味・読み・例文・類語

おお‐いれおほ‥【大入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大坂で、大晦日(おおみそか)歌舞伎芝居の徒が、景気を祝うために、しでを振りながら市内各所を踊りあるく行事。〔大坂繁花風土記(1814)〕
  3. 歌舞伎で、初日の前日の総稽古を無料で見せること。旅興行では、この日に「翁渡し」を演じ、一日の狂言の一部を見せた。〔戯場楽屋図会(1800)〕
  4. 一方の材の、端部の全断面を他の材に差し込む仕口(しぐち)。差し込む材の端部が斜めに切り落としてあるものを傾(かた)ぎ大入れ、大入れの先端がさらに枘差(ほぞざし)になっているものを大入れ枘差しという。追入(おいれ)

おお‐いりおほ‥【大入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 興行場などで入場者がたくさんはいること。
    1. [初出の実例]「大入の芝居へ人を植にくる」(出典:雑俳・たからの市(1705))
    2. 「何処(どこ)旅籠屋(はたごや)も大入(オホイリ)大繁昌」(出典団団珍聞‐五五七号(1886))
  3. おおいりば(大入場)」の略。
  4. おおいりぶくろ(大入袋)」の略。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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