痩・瘠(読み)やせる

精選版 日本国語大辞典 「痩・瘠」の意味・読み・例文・類語

や・せる【痩・瘠】

〘自サ下一〙 や・す 〘自サ下二〙
① 体重が減りからだが細くなる。
万葉(8C後)八・一四六二「吾が君に戯奴(わけ)は恋ふらし賜りたる茅花を喫(は)めどいや痩(やせ)夜須(ヤス)
② 土地が、草木を十分に生長させる力に欠ける。地味が豊かでなくなる。
書紀(720)天智元年一二月(北野本訓)「此の州柔は、遠く田畝に隔てて土地(つち)磽确(ヤセ)たり」
③ 植物の茎・葉が生長しなくなる。
※新撰六帖(1244頃)五「いは山の柴の下草やせぬとて思ひにたへぬ程を知らめや」
④ 中世的な美意識の一つ。枯淡でひきしまっている。
ささめごと(1463‐64頃)上「心言葉すくなく寒くやせたる句のうちに、秀逸はあるべしといへり」

やせ【痩・瘠】

〘名〙 (動詞「やせる(痩)」の連用形名詞化) 痩せること。痩せていること。また、その人。
御伽草子あかし三郎(古典文庫所収)(室町末)「その、御やせにては、いかで、きゃうへは、御のぼり候べき」

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