ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「発散の困難」の意味・わかりやすい解説
発散の困難
はっさんのこんなん
divergence difficulty
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…場の量子論で,例えば電荷や電子の質量を求める場合,高次の補正を行うとその値が無限大となってしまう。これを発散の困難divergence difficultyといい,発散の困難を防ぐために,第2次世界大戦後まもなく,朝永振一郎,R.ファインマン,J.シェウィンガーによって独立に考案された処法をくりこみ理論という。古典論においてもすでに点電荷としての電子が自分自身に及ぼす力が無限大になってしまうという発散の困難に直面していたが,この困難は本質的な解決をみることなく物理学は量子力学の形成,さらに相対論的量子論の建設へと進んだ。…
…しかしすぐにこの理論が不完全であることが指摘された。場が相互作用をしているとき,高次の補正を計算しようとすると答えが無限大になってしまう(発散の困難)のである。この問題は現在でも未解決である。…
※「発散の困難」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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