発泡ゴム(読み)はっぽうごむ(その他表記)foam rubber

翻訳|foam rubber

日本大百科全書(ニッポニカ) 「発泡ゴム」の意味・わかりやすい解説

発泡ゴム
はっぽうごむ
foam rubber

見かけ密度が0.3g/cm3以下の軟質泡入りゴム。多孔質ゴムcellular rubberともよばれ、次の3種に分類される。

(1)フォームラバー 天然ゴムや合成ゴムのラテックスを機械的または化学的に泡立てて固めたのち加硫してつくる。一般に気泡は連続して通気性があり、圧縮回復性が優れているので家具や寝具のクッションの用途がある。

(2)軟質ウレタンフォーム 液状ゴムの発泡成形によってつくる。フォームラバーより成形が容易であり、性能が優れているので、車両をはじめ、家具や寝具のクッション用に多く使われている。また、パッキン材、シール材、緩衝材、防音材や断熱材などの用途がある。

(3)スポンジゴム ゴムスポンジともいわれ、海綿状ゴムである。各種の生ゴムに発泡剤を練り込んで加硫してつくられる。密度は0.1~0.3g/cm3程度。海綿のように吸水性のある家庭用スポンジタワシもあるが、独立気泡で吸水性がなく、防音断熱性が高いスポンジゴムはパッキン材、シール材、緩衝材、防音材や断熱材などの用途がある。

[福田和吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の発泡ゴムの言及

【起泡剤】より

… 発泡剤としてプラスチック,コンクリートなどの成形時に添加するものの多くは,加熱時に窒素,二酸化炭素,アンモニア,水蒸気,酸素,水素等を発生するものである。発泡ゴム,発泡プラスチックには炭酸水素ナトリウム,炭酸アンモニウム,酢酸アミル,ジアゾアミノベンゼンなどが,また泡ガラスには炭酸カルシウムが,食品工業でパンの製造には炭酸水素ナトリウムと酒石酸を主成分とするベーキングパウダーなどが用いられる。発泡剤系泡沫消火器(粉末,液体)には硫酸アルミニウムと炭酸水素ナトリウムの混合物が用いられる。…

※「発泡ゴム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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