登別温泉軌道(読み)のぼりべつおんせんきどう

日本歴史地名大系 「登別温泉軌道」の解説

登別温泉軌道
のぼりべつおんせんきどう

国鉄室蘭本線登別駅から登別温泉街を結んだ鉄道。初期の登別温泉への交通機関は六人乗りの円太郎馬車で、所要時間は片道二時間であった。大正四年(一九一五)室蘭の栗林五朔により登別温泉軌道株式会社が設立され、同年一一月から馬車鉄道の運転を開始。同七年五月に温泉客の増加から軽便鉄道となり、区間八・七キロ、軌間七六二ミリの蒸気機関車運転に変更。同一四年一一月には軌間一〇六七ミリの電気軌道となった。当時の室蘭毎日新聞は「運転する電車は、五十人乗りのボギー車であるが、登別停車場より温泉場に到る運転時間は三十五分、省線各列車に接続すべく一日十往復とし、発電所を新たにカルルスに設け百ワットの電力を以て電車、電灯を経営するものであると云ふ」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報