最新 地学事典 「登米統」の解説
とよまとう
登米統
Toyoman(Series)
南部北上帯の上部ペルム系で,叶倉統の上。三畳系稲井統に不整合に覆われる。下部の前浜階(Maehaman),上部の鍋越階(Nabekoshian)に区分。南部北上山地西縁の米谷地域の登米層を模式とするが,鍋越階は宮城県気仙沼市北部の鍋越山層,同本吉郡歌津町地域の田の浦層,岩手県一関市藤沢町大籠周辺の千松層などに限られていて,模式地や他の地域では鍋越階を欠く。前浜階は主に黒色頁岩(粘板岩)からなるが,砂質のラミナをひんぱんに挟み,縞状を呈する部分もあり,また,下部に薄衣式礫岩を挟む地域もある。層厚700~1,500m。Astartella・Palaeoneiloなどの貝化石のほか,最下部はアンモナイトTimorites・Araxoceras・Xenodiscus, 上部はEusanyangitesを含み,中国南部の呉家坪階(Wujiapingian),テチス地域のDzhulfianに対比。鍋越階は黒色頁岩を主体とするが,下部に砂岩を挟む。鍋越山層は石灰岩レンズも伴う。層厚700~1,100m。石灰岩はColaniella parva・Palaeofusulinaなどの小型有孔虫・フズリナを含む。千松層はアンモナイトCyclolobus・Paratirolites?・Neogeocerasなどを産する。中国南部の長興階(Changxingian),テチス地域のDorashamianに対比。近畿の舞鶴層群上部,九州の球磨層(統)上部などは本統に対比される。なお,湊正雄(1952)はペルム系を二分し,上半を登米亜系とした。
執筆者:須鎗 和巳・永広 昌之
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

