アルカリ石灰指数(読み)アルカリせっかいしすう(英語表記)alkali-lime index

岩石学辞典 「アルカリ石灰指数」の解説

アルカリ石灰指数

ホルムスは,変化図(variation diagram)のCaO曲線が,Na2O曲線とK2O曲線の間の垂直距離を二等分する点に相当するSiO2百分率は,異なった岩石系列に対して重要な数値を与えることを指摘した[Holmes : 1921].ピーコックは,変化図のCaO曲線と(Na2O+K2O)曲線が交差する点のSiO2%の値はをアルカリ石灰指数として提案した(Peacock : 1931).ピーコックはアルカリ石灰指数を用いて,火成岩をカルシック(アルカリ石灰指数61以上),カルク・アルカリック(56~61),アルカリ・カルシック(51~56),アルカリック(51以下)の系列に区分した.
アルカリ石灰指数を求めるためには岩石一個の分析値では不可能で,火成岩群を採り上げて相互の比較を行なわなければならない.成因的に何か関連性があると推定されるような岩石群あるいは系列に適用すると有効であるが,1個あるいは少ない数の岩石の分析値では何も表わすことができない.基本的に岩質が変化する岩石群を対象に群全体をまとめて取扱うのが適当であるが,どのような範囲の岩石を同じ群としてまとめるかには問題があり,十分な検討が必要である[鈴木 : 1994].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

化学辞典 第2版 「アルカリ石灰指数」の解説

アルカリ石灰指数
アルカリセッカイシスウ
alkali-lime index

火山岩の岩系の特徴を化学組成で表す一つの指数.Na2O + K2O,CaOおよびSiO2がその特徴をよく表すとしてM.A. PeacockはSiO2重量% を横軸にとり,SiO2の増加に伴うNa2O + K2Oの増加曲線とCaOの減少曲線との交点のSiO2値をアルカリ石灰指数とした.アルカリ石灰指数を調べることによって,だいたいの火山岩の成因系統を類推することが可能である.ほとんどの岩石系の指数は45~65の間にあるといわれる.わが国の場合は53~68の数値が与えられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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