四面銅鉱(読み)シメンドウコウ(その他表記)tetrahedrite

精選版 日本国語大辞典 「四面銅鉱」の意味・読み・例文・類語

しめん‐どうこう‥ドウクヮウ【四面銅鉱】

  1. 〘 名詞 〙 銅、アンチモン、硫黄主成分とするもろい鉱物。塊状または粒状で銅などの鉱床に産する。等軸晶系で多くは四面体結晶。黒褐色で金属光沢がある。銅、銀の原料。黝(ゆう)銅鉱

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最新 地学事典 「四面銅鉱」の解説

しめんどうこう
四面銅鉱

tetrahedrite

四面銅鉱は族の名称(tetrahedrite group)となり,tetrahedriteはその中の安四面銅鉱系(tetrahedrite series)の名称でも使われる。四面銅鉱族は,一般化学組成式,M2A6M1(B4C26X(3D4S1Y12S(2Zで表され,A = Cu+, Ag+, □(空席); B = Cu+, Ag+; C = Zn2+, Fe2+, Hg2+, Cd2+, Mn2+, Cu2+, Fe3+; D = Sb3+, As3+, Bi3+, Te4+; Y = S2, Se2; Z = S2, Se2。安四面銅鉱系の種名として,例えばtetrahedrite-(Fe)(Cu6(Cu4Fe2)Sb4S13),tetrahedrite-(Zn)(Cu6(Cu4Zn2)Sb4S13)のように接尾辞をつけて使われる。他の系として,砒四面銅鉱系(tennantite series)(tnennnantite-(Zn),Cu6(Cu4Zn2)As4S13など),フライベルグ鉱系(freibergite series)(argentotetrahedrite-(Fe),Ag6(Cu4Fe2)Sb4S13など),砒フライベルグ鉱系(arsenofreibergite series)(argentotennantite-(Zn),Ag6(Cu4Zn2)As4S13など),ハク鉱系(hakite series)(hakite-(Hg),Cu6(Cu4Hg2)Sb4Se13など),ジロー鉱系(giraudite series)(giraudite-(Zn),Cu6(Cu4Zn2)As4Se13など),ロジデストベンスカヤ鉱系(rozhdestvenskayaite series)(rozhdestvenskayaite-(Zn),Ag6(Ag4Zn2)Sb4S13など),ズベストフ鉱系(zvěstovite series)(zvěstovite-(Zn),Ag6(Ag4Zn2)As4S13)がある。また,D席にTe4+が主成分として入るものは未指定構成種(unassigned member)(goldfieldite,(Cu42)Cu6Te4S13など)とされる。

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参照項目:安四面銅鉱
参照項目:砒四面銅鉱

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改訂新版 世界大百科事典 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱 (しめんどうこう)
tetrahedrite

化学式Cu10(Fe,Zn)2Sb4S13の鉱物。SbをAsが置換したヒ四面銅鉱tennantiteとの間に完全固溶体をつくり,合わせてファレルツFahlerzとも呼ばれる。少量のAg,Hg,Pbが金属原子を置換するが,Agが多量に置換したものはフライバージャイトfreibergiteとして知られる。等軸晶系。自形は(111)の正四面体が比較的ふつうで,これが鉱物名の由来でもある。また不規則な粒状ないし緻密な塊状でも産す。割れ口は貝殻状でもろい。モース硬度3~4,比重4.6~5.2。灰黒~鉄黒色,組成によりHgを含むとき褐色み,Asが多いとき青緑色を帯びる。金属光沢で不透明~半透明を示す。ゆがんだセン亜鉛鉱型結晶構造をもつ。四面銅鉱は最も豊富に産する硫塩鉱物で,銀と銅の鉱石,例えばアメリカのアイダホ州サンシャイン鉱山のフライバージャイトは地球上最も重要な銀の原料である。ふつう銀や銅の熱水性鉱脈,またときに接触交代鉱床などにも見られる。
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百科事典マイペディア 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱【しめんどうこう】

銅の鉱石鉱物の一つ。黒〜黒灰色,不透明で,多くは四面体結晶を示す。組成は3Cu2S・Sb2S3に近く,SbはAsと置換して固溶体を作る。等軸晶系,硬度3.5〜4,比重4.97。銅が主要金属成分で,銀を10%前後含有し得る。銅鉱床中に広く産出し,日本では黒鉱の銅鉱石として重要。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱
しめんどうこう
tetrahedrite

(Cu,Fe)12Sb4S13 。等軸晶系,四面体の結晶形をもつ銅の鉱物で,銅を約 46%含む。帯黒灰色,鉄黒色,条痕は黒色。硬度3 ~ 4,比重 4.6 ~ 5.1。深成鉱床 (神岡) ,接触交代鉱床 (秩父) ,層状含銅硫化鉄鉱床 (別子) ,鉱脈 (千歳) ,黒鉱鉱床 (小坂) などに銀とともに産する。黝 (ゆう) 銅鉱ともいう。

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