四面銅鉱(読み)シメンドウコウ(英語表記)tetrahedrite

デジタル大辞泉 「四面銅鉱」の意味・読み・例文・類語

しめん‐どうこう〔‐ドウクワウ〕【四面銅鉱】

アンチモンを含む硫化鉱物金属光沢があり、黒色で、四面体結晶または塊状等軸晶系。銀を含むものもある。

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精選版 日本国語大辞典 「四面銅鉱」の意味・読み・例文・類語

しめん‐どうこう‥ドウクヮウ【四面銅鉱】

  1. 〘 名詞 〙 銅、アンチモン、硫黄主成分とするもろい鉱物。塊状または粒状で銅などの鉱床に産する。等軸晶系で多くは四面体結晶。黒褐色で金属光沢がある。銅、銀の原料。黝(ゆう)銅鉱

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改訂新版 世界大百科事典 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱 (しめんどうこう)
tetrahedrite

化学式Cu10(Fe,Zn)2Sb4S13の鉱物。SbをAsが置換したヒ四面銅鉱tennantiteとの間に完全固溶体をつくり,合わせてファレルツFahlerzとも呼ばれる。少量のAg,Hg,Pbが金属原子を置換するが,Agが多量に置換したものはフライバージャイトfreibergiteとして知られる。等軸晶系。自形は(111)の正四面体が比較的ふつうで,これが鉱物名の由来でもある。また不規則な粒状ないし緻密な塊状でも産す。割れ口は貝殻状でもろい。モース硬度3~4,比重4.6~5.2。灰黒~鉄黒色,組成によりHgを含むとき褐色み,Asが多いとき青緑色を帯びる。金属光沢で不透明~半透明を示す。ゆがんだセン亜鉛鉱型結晶構造をもつ。四面銅鉱は最も豊富に産する硫塩鉱物で,銀と銅の鉱石,例えばアメリカのアイダホ州サンシャイン鉱山のフライバージャイトは地球上最も重要な銀の原料である。ふつう銀や銅の熱水性鉱脈,またときに接触交代鉱床などにも見られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱
しめんどうこう

砒(ひ)四面銅鉱、安(あん)四面銅鉱などのつくる含銅硫塩鉱物の総称

[編集部]

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百科事典マイペディア 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱【しめんどうこう】

銅の鉱石鉱物の一つ。黒〜黒灰色,不透明で,多くは四面体結晶を示す。組成は3Cu2S・Sb2S3に近く,SbはAsと置換して固溶体を作る。等軸晶系,硬度3.5〜4,比重4.97。銅が主要金属成分で,銀を10%前後含有し得る。銅鉱床中に広く産出し,日本では黒鉱の銅鉱石として重要。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四面銅鉱」の意味・わかりやすい解説

四面銅鉱
しめんどうこう
tetrahedrite

(Cu,Fe)12Sb4S13 。等軸晶系,四面体の結晶形をもつ銅の鉱物で,銅を約 46%含む。帯黒灰色,鉄黒色,条痕は黒色。硬度3 ~ 4,比重 4.6 ~ 5.1。深成鉱床 (神岡) ,接触交代鉱床 (秩父) ,層状含銅硫化鉄鉱床 (別子) ,鉱脈 (千歳) ,黒鉱鉱床 (小坂) などに銀とともに産する。黝 (ゆう) 銅鉱ともいう。

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