白市村(読み)しらいちむら

日本歴史地名大系 「白市村」の解説

白市村
しらいちむら

[現在地名]東広島市高屋たかや町白市

入野にゆうの川とその支流入寺にゆうじ川に南と北を挟まれた丘陵上に位置する。小流が西北から流れ、東南にそびえるしろ(三一四・一メートル)の西で南に向きを変えて入野川に注ぐ。村域は高屋東たかやひがし村に囲まれ、村の西半に鉤の手状に町屋が発達、南北の通りをほん町、東西の通りを西にし町といった(芸藩通志)

芸藩通志」は「文亀年間、平賀保成村中の白山に城を築き、麓に府市を開て白市と名つけしといふ」とするが、築城後市が開かれたというよりも、当時発展しつつあった市町を押えることが築城の理由の一つであったと思われる。町並北端にある養国ようこく寺が、寺伝のように元暦元年(一一八四)の草創で当初から同地にあったとすれば、その門前市として発達したとも考えられる。天文二二年(一五五三)八月二三日の田万里八幡宮棟札(平賀家旧記)に「白山大工」一人、「同小工」一一人の名前があり、この白山が白市のことであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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