白筋(読み)はっきん(英語表記)white muscle

  • しろすじ ‥すぢ
  • はっきん〔ハク〕

知恵蔵の解説

筋肉には白筋(速筋タイプIIa、IIb)と赤筋(遅筋タイプI)があり、IIaは赤筋と同質の作用をもつ。その分布には個人差がある。一般に白筋の多い人は瞬発性運動に、赤筋の多い人は持久性運動に適している。白筋はグリコーゲンやブドウ糖を無酸素的に分解し、乳酸を生成してエネルギー、アデノシン三リン酸(ATP)を生産。一方、赤筋は毛細血管の発達がよくミオグロビンも多いので酸素を多量に摂取できる。ミトコンドリア数も多いため、脂肪酸やグリコーゲン、ブドウ糖を有酸素的に炭酸ガスと水に分解し、効率よくエネルギーを生産する。ウエートトレーニングでは白筋タイプIIbが増えるが、持久性トレーニングにより赤筋化(IIbをIIaに転換)できる。しかし白筋と赤筋の基本的比率は遺伝的に支配されており、白筋の多い人では糖尿病や高脂血症が起きやすく肥満しやすい。

(鈴木正成 早稲田大学スポーツ科学学術院特任教授 / 2007年)

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大辞林 第三版の解説

骨格筋を構成する筋繊維のうち、白く見えるもの。収縮速度は速いが、収縮するときに筋肉中に蓄えられた物質を用いるため、持続時間が短い。速筋。 → 赤筋

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 白く細長い線。白い筋目。
※増鏡(1368‐76頃)一〇「院の御かた、葡萄染(えびぞ)めに白すぢ・樺桜の青すぢ、春宮の女房、上の紫格子・柳など、さまざまに目もあやなる清らをつくされたり」
② 白い繊維。
※波形本狂言・柑子(室町末‐近世初)「かのかうじをおっとってきつふ皮をむいて中の白すじなどもさりまして一口に下されてござる」

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世界大百科事典内の白筋の言及

【運動】より

…この単収縮の過程は筋肉の種類によって異なり,速い収縮をする筋肉を〈速い筋肉fast muscle〉,緩やかな収縮をする筋肉を〈遅い筋肉slow muscle〉という。速い筋肉は眼筋や下肢の腓腹筋などで,ミオグロビン含有量が少なく白筋ともいう。遅い筋肉はひらめ筋など姿勢の維持に働く筋肉で赤筋ともいう。…

【筋肉】より

…腱鞘は,手根部や足根部でよく発達している(図4)。 横紋筋には,肉眼的に見て白筋と赤筋の区別がある。白筋は細胞質のなかに筋原繊維を多く含むもので,その運動は迅速であるが疲労しやすい。…

【等張力性収縮】より

…これは,筋フィラメント間の滑りが2種の筋フィラメントを構成するタンパク質,アクチンミオシン間の化学反応により起こることを示している。温血動物の骨格筋は,動物体の速い運動に関与する白筋と,体の姿勢の保持に関与する赤筋に大別される。白筋は赤筋よりも最大短縮速度が大きい。…

※「白筋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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