樺桜(読み)カバザクラ

デジタル大辞泉 「樺桜」の意味・読み・例文・類語

かば‐ざくら【×樺桜】

カバノキ類に木肌が似ている桜の木。また、ウワミズザクラのことという。ははか。かにわざくら。
かさねの色目の名。表は蘇芳すおう、裏は赤花(「桃花蕊葉」による)。一説に、表は薄色、裏は濃い二藍とも。春、用いる。

かにわ‐ざくら〔かには‐〕【×樺桜】

かばざくら1

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精選版 日本国語大辞典 「樺桜」の意味・読み・例文・類語

かば‐ざくら【樺桜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. カンバ類と類似の樹肌をもったウワミズザクラ、チョウジザクラヤマザクラなどの桜の木をいう。かんばざくら。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「岸に沿ひて大いなる松に藤懸りて、廿町ばかりなみ立ちたり。それにつぎて、かばざくらひとなみなみ立ちたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
  3. シダレザクラの一園芸品種で、枝などに毛を生じ、四月中旬頃白色の単弁花を開く。
  4. (かさね)色目の名。表は蘇芳(すおう)、裏は赤花(桃花蘂葉(1480))。一説、表は薄色、裏は濃い二藍。年少より壮年の人の着用(物具装束鈔(1412頃か))。女房の襲には紫に白の縁を取ったのを重ね、単を紅とする(曇花院殿装束抄(1539頃))。春、用いる。
    1. [初出の実例]「桜の織物ども、紅の打ちたる、桜の表著、かば桜の二重文の唐衣、梅の二重文の裳」(出典:栄花物語(1028‐92頃)根合)

かにわ‐ざくらかには‥【樺桜】

  1. 〘 名詞 〙うわみずざくら(上溝桜)」の古名
    1. [初出の実例]「かにはざくら かづけども浪のなかにはさぐられで風吹くごとにうきしづむたま〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四二七)

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