精選版 日本国語大辞典 「柑子」の意味・読み・例文・類語
こう‐じ カウ‥【柑子】
[1] 〘名〙 (「かんじ」の変化した語)
① ミカン科の常緑小高木。在来ミカンの一種で耐寒性が強く山陰・北陸・東北地方にも家庭用として栽培されている。果実は扁平で小さい。果皮は蝋質黄色、滑らかで薄くむきやすい。果肉は淡黄色で、八~一〇室あり、酸味が強く種子が多い。スルガユコウ、フクレミカンなどの品種がある。新年の注連縄(しめなわ)、蓬莱などの飾りに用いることがある。こうじみかん。また一般にミカンの異名としてもいう。《季・秋》
※宇津保(970‐999頃)国譲中「梨・かうじ・橘・あらまきなどあり」
② 「こうじいろ(柑子色)」の略。
③ 襲(かさね)の色目の名。表、裏ともに朽葉色(くちばいろ)のもの。
④ 植物「からたちばな(唐橘)」の異名か。
[2] 狂言。各流。預かっていた柑子を食べてしまった太郎冠者は主にいろいろ言い訳をするが、ついに六波羅(腹)におさめたと白状する。
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