上代には見えず、平安時代に頻出。皇族、貴族など、第一級の人物や事物を形容する美的語彙で、「きよげ」よりは上位。「源氏物語」では、光源氏や夕霧、匂宮、紫上などに多用される。「きよし」が山川・月などの対象そのものの澄明さを抽象化・一般化して表わすのに対して、装束・殿舎・儀式などの身近な個別の事物や人物に用いる。→きよい・きよげ
平安時代の美を表わす語だが、「きよら」との異文が多く、「けうら」と確認しうる用例数は限られる。
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