白衣郷(読み)しらみそごう

日本歴史地名大系 「白衣郷」の解説

白衣郷
しらみそごう

和名抄」高山寺本に記載なく、東急本は訓を欠く。「日本地理志料」は「志良美曾」と読み、白溝の仮借字、あるいは「白江」の誤記を関東方言で「白井」の字を用いたのではないかとしている。「大日本地名辞書」は白位の「位」の字を「衣」と誤記したものとみている。白衣は白井とすれば、現北群馬郡子持こもち村の上白井かみしろい・白井を遺名とみる。「吾妻鏡」建久元年(一一九〇)四月一九日条に記す内宮役夫人工作料未済成敗所々に「上野国白井河内分」がみえる。中世には白井保・白井庄があった。また利根川吾妻あがつま川に挟まれた三角状の要害を利用した長尾氏の白井城が築造された。白井城主長尾景仲(昌賢)は、僧正文を招き子持村中郷なかごうに曹洞宗双林そうりん寺を創建させたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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