白金村(読み)しろかねむら

日本歴史地名大系 「白金村」の解説

白金村
しろかねむら

[現在地名]港区白金一―六丁目・白金台しろかねだい一丁目・同三丁目、品川区上大崎かみおおさき二丁目など

北はふる(新堀川・金杉川・赤羽川)を境に豊島郡麻布本村あざぶほんむら町、東は三田老増みたおいます町、南は白金台町、西は豊島郡下豊沢しもとよさわ村。北条氏所領役帳に江戸衆の太田新六郎の知行地としてみえる銀(二〇貫文)が当地にあたると推定されている。神奈川県公文館所蔵本北条氏所領役帳では「白根新井分」とある。天正一八年(一五九〇)豊臣秀吉から麻布善福ぜんぷく寺へ下された禁制(善福寺文書)には「武蔵国白金之郷阿左布 善福寺」と記される。地名はかつて白金長者という富裕豪族が住居したことに由来するといわれる(「御府内備考」など)

田園簿によると高三二〇石、うち田方一二九石余・畑方一九〇石余。芝増上寺領。元禄郷帳では高四五〇石余、天保郷帳では高四四二石余。荏原えばら郡麻布領に所属。南の方は台地のため畑地であり、水田は北側の古川辺りの低地に位置した。水源は三田用水を使用(風土記稿)


白金村
しろかねむら

[現在地名]穂高町大字穂高 白金

矢原やばら等々力とどろきとの中間に存在し、さい川の旧河床を流路としている中曾根なかぞね川の自然堤防上に立地。文献上の初見は明応一〇年(一五〇一)三宮穂高社御造宮定日記(穂高神社蔵)である。ふけ田・小ふけ田・大ふけ・大花見・柳林・並柳など犀川沿岸の低湿地帯の諸村によくみられる地字が多い。村の西部の三枚橋さんまいばしからは土師器須恵器が出土している。ここはいわば犀川の自然堤防上の後背湿地でからす川の自然流である穂高沢の支流である今井沢や大つぼ沢によって開発されたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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