百済野(読み)くだらの

精選版 日本国語大辞典 「百済野」の意味・読み・例文・類語

くだら‐の【百済野】

  1. 奈良県広陵町百済にあった野か。一説に、大阪市生野区鶴橋・生野から天王寺区東部にかけてあった野。百済原。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「百済野」の解説

百済野
くだらの

百済系渡来人が集住し開発に取組んだ、古代の百済郡域に大きく重なると思われる地名。「万葉集」巻八の山部赤人の歌「百済野の萩の古枝に春待つと居りし鶯鳴きにけむかも」を当地にあてる説もあるが、これは奈良県橿原かしはら高殿たかどの町付近もしくは同県北葛城きたかつらぎ広陵こうりよう町百済付近とするのが有力である。「摂津名所図会」にみえる「字堂が芝」の「百済寺」は、百済国都扶余の軍守里廃寺の塔礎石と似た礎石や難波なにわ(跡地は現東区)四天王寺同笵の瓦を出土した天王寺区のどうしば廃寺に相当する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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