ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「直線形衝突型加速器」の意味・わかりやすい解説 直線形衝突型加速器ちょくせんけいしょうとつがたかそくきlinear collider 電子と陽電子を直線上で反対向きに加速して正面衝突させ,素粒子の反応を観測する実験装置。今日の電子・陽電子衝突型加速器は,円形のリングで粒子を走らせるタイプが主流だが,このタイプでは電子を磁場で曲げるときに発生するシンクロトロン放射によるエネルギー損失があるため,エネルギーの高い加速器をつくるのは難しい。直線形衝突型加速器では,エネルギー損失は少ないが,電子と陽電子が 1度しかすれ違わないため正確に衝突させることが難しい。アメリカ合衆国の SLAC国立加速器研究所の加速器が代表例であり,次世代の加速器として国際的に計画が進められている国際リニアコライダー ILCも直線形衝突型加速器である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by