日本大百科全書(ニッポニカ) 「看護覚え書」の意味・わかりやすい解説
看護覚え書
かんごおぼえがき
Notes on Nursing
イギリスのナイチンゲールの著書。1859年出版。副題に「看護であること、看護でないこと」と書かれ、また著者が導入部で「看護することを教える手引書でもない。これは他人の健康について直接責任を負っている女性たちに考え方のヒントを与えたいという、ただそれだけの目的で」と述べているように、看護について考えるための書物である。60年に刊行された改訂版は欧米の看護学校で教科書として広く使用され、日本では1912年(大正1)に全文が紹介された。今日も副読本として十分に活用できる内容をもつ。
[山根信子]
『薄井坦子他訳『看護覚之書』(1983・現代社)』