真念庵(読み)しんねんあん

日本歴史地名大系 「真念庵」の解説

真念庵
しんねんあん

[現在地名]土佐清水市下ノ加江 市野瀬

市野瀬いちのせ遍路道沿いにある。「南路志」には「地蔵大師堂 天和之頃大阪平島真念と云発心者建立也」とあり、江戸時代より四国霊場番外札所として庶民信仰を集めてきた。廻国僧真念が三八番札所足摺山金剛福こんごうふく寺、三九番札所寺山の延光てらやまのえんこう(現宿毛市)へ向かう巡礼難渋をみて、荒果てていた音瀬おんせ寺の跡に庵を結んだと伝え、ここに荷物を置いて朝、足摺山に向かった巡礼が夕べには帰って一泊し、翌朝道を西にとって寺山に行く中間に位置する。老人や病弱な巡礼はこの庵に札を納めて足摺山を省き寺山に向かう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android