真言七祖像(読み)しんごんしちそぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真言七祖像」の意味・わかりやすい解説

真言七祖像
しんごんしちそぞう

空海が在唐中,その師恵果から李真らに描かせた真言五祖 (金剛智善無畏,不空,恵果,一行) の画像を贈られ,帰朝 (821) 後,これに龍猛・龍智像を描き加えさせて七祖とし,それに空海みずから名号,題字と,七祖の行状文などの賛を書いた。上部の名号,題字は飛白。行状文はみな草書を基調とし雑体書を混用したもので,画像の荘厳にふさわしい相をなしている。京都教王護国寺蔵。7幅。国宝。なお,のちに空海も加えられて真言八祖像として転写本も多く作られた。

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世界大百科事典(旧版)内の真言七祖像の言及

【東寺】より

…ほかに彫刻では,毘沙門堂に安置されるが,もと羅城門の楼上にあったといわれ,異国風の容貌,服装をした兜跋毘沙門天(とばつびしやもんてん)立像(唐代)が国宝。 絵画では《真言七祖像》(唐代および平安前期),《五大尊像》(伝覚仁筆,平安後期),《十二天屛風》(伝宅磨勝賀筆,鎌倉前期),《両界曼荼羅》(平安前期)がいずれも国宝。《真言七祖像》はそのうち五祖像が唐の李真筆で,空海が請来し,他の2祖は帰国後描かせたとされる。…

※「真言七祖像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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