真謝村(読み)まーじやむら

日本歴史地名大系 「真謝村」の解説

真謝村
まーじやむら

[現在地名]久米島町真謝まじや

仲里なかざとう間切北東部、東は真謝まじや湾に臨み、北は阿嘉あーか村、南は宇根うに村。マージャと発音する。集落西方に標高二二〇メートルのフサキナ山があり、旧集落は山間丘陵上にあったという。那覇から中国福建省に至る航路の要津真謝湊(真謝泊)があり、君南風が首里へ行く時も同湊から発着した。「久米仲里旧記」によれば上宇根ういーうに(宇根村の旧地)の「おやくもい大ころう」の子赤嶺しが「大くめす」に、その子「安たん屋し(安谷屋子)」が安谷屋あだんなに、「まちや(真謝)のし」が「おそく下」に家を建てたのが真謝村立ての始めという。同書にみえるオタカベ神事にかかわる人物として「安谷屋の大ころう/まきよの根の大ごろう(安谷屋の大男/まきよ〔部落〕の根〔中心〕の大男)」とみえるが、「安谷屋の大ころう」は「久米仲里旧記」の「安たん屋し」のことである。また雨乞の際に「ざんくもり」「黒瀬雨乞くもり」「大蔵下」でオタカベやクェーナが行われていたことが記されている。これらは宇根ノロ(神名、おしわきの親ノロ)が管轄していた。なお「黒瀬雨乞くもり」は黒石くるし御嶽のことで(琉球国由来記)、オタカベには黒石御嶽の神名「ヨタマシ御イベ」とかかわる「よたましの大のろ/よたましの大なざ」がみえ、また「安谷屋の大ころう/まきよの根の大ごろう」ともみえることから、黒石御嶽も古くは安谷屋に属していたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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