久米島町(読み)くめじまちよう

日本歴史地名大系 「久米島町」の解説

久米島町
くめじまちよう

面積:六三・三三平方キロ

沖縄島の西方約九四キロに位置する久米島とその属島奥武おー(西奥武島)オーハ島(東奥武島)とり島・硫黄鳥いおうとり島からなる。久米島は北部は宇江城ういーぐしく(三〇九・五メートル)からうふ岳・富祖古ふーく(二〇二・六メートル)に続く山地・丘陵地帯が発達し、南部は阿良あーら(二八七メートル)を核に山地・段丘が続く。これら山地の麓である北西部・中央部・東部・南西部に低平地が分布し、集落はこの低地と段丘に立地する。北西部の下地原しもじばる洞窟から一万五千―二万年前とみられる乳児骨が出土し、旧石器時代―貝塚時代の遺跡は西部に前期から後期に及ぶ複合遺跡の大原おおはら貝塚群・北原きたはら貝塚などがある。東部・南部には貝塚時代後期の遺跡が多い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「久米島町」の意味・わかりやすい解説

久米島〔町〕
くめじま

沖縄県沖縄島の西方約 100kmの海上に浮かぶ久米島を中心に奥武島,オーハ島,鳥島,硫黄鳥島などで構成される町。2002年4月久米島西部の具志川村と東部の仲里村が合併し,町制。主島の久米島は輝石安山岩からなる火山島で,北部から南東部にかけては宇江城岳(うえぐすくだけ),大岳,中森岳,フサンナ山,アーラ岳が連なる。南西岸は隆起サンゴ礁が島を取り囲むように延びて内海を形成,東岸は隆起サンゴ礁と砂州がおよそ 7kmにわたって延びている。農業が主産業で,サトウキビ,野菜,花卉,葉タバコを栽培。またクルマエビなどの養殖も行なわれる。美しい海浜のほか,国指定重要文化財の上江洲家住宅(うえずけじゅうたく),旧仲里間切蔵元石牆(きゅうなかざとまぎりくらもとせきしょう),国指定史跡の具志川城跡といった観光資源に恵まれ,開発が進んでいる。久米島の北方約 25kmにある鳥島はアメリカ軍の射爆場,硫黄鳥島は奄美群島に属し沖縄県の最北端にある活火山の島で,ともに無人。沖縄島へは航空機,フェリーの定期便で結ばれている。面積 63.65km2(硫黄鳥島の面積 2.50km2を含む)。人口 7192(2020)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android